世の中には様々な代理店の仕組みがあります。代理店展開は、業種・業態も問わずにできる為、各社ともに工夫をしながら販路拡大・売上拡大を目指しています。そこで今回は、代理店の仕組みを構築する上で押さえておきたい情報をまとめました。
【目次】
・代理店とは
・代理店の種類一覧
・代理店と営業代行
・自社に合った代理店の仕組みとは?
代理店とは
まずは基本的な部分を押さえたいと思います。皆さんは「代理店」の契約形態には複数のカタチがあるのをご存知でしょうか?
例えば、ガソリンスタンドです。町中でよく見かけますが、ガソリンスタンドも代理店の一形態になります。ガソリンスタンドは「特約店」という代理店の契約形態をとっています。このように、「代理店」という言葉には、内包されている意味が複数ある為、それらも含めて理解しておく必要があります。では、「代理店」とは一体どのような意味を含んだ言葉なのでしょうか?
「代理店」という言葉は人によって認識の差があり、実際はかなり曖昧な表現になります。辞書を確認すると、「一定の会社などの委託を受けて、その取引の代理を行う店・会社」となっています。つまり、「取引の代理」を行えば全て代理店ということになります。このように、カバーできる範囲がかなり広い言葉だということを押さえておきましょう。
代理店の種類一覧
一言に「代理店」といっても様々な契約形態があります。以下に代表的な契約形態をご紹介します。
①販売代理店
②取次店
③特約店
④販売店
⑤紹介店
①販売代理店
もっともオーソドックスでイメージしやすい販売形態だと思います。メーカーから商品を仕入れ、販売するという商売の基本形といえば理解しやすいと思います。世の中で「代理店」と言えば販売代理店を意味していることが多いと思います。
②取次店
業務内容は販売代理店に近いですが、一番の違いは在庫を持たない&顧客フォローをしないことです。(※一般論の為、在庫あり&顧客フォローありの場合もあります。)
在庫を持たないことが一般的なので、代理店にとっては事業リスクが低く取り組みやすいことが特徴です。また、契約の取次を主な業務としているので、顧客のフォローまでは要求されません。顧客フォローは、メーカーのお客様センターなどが対応するので、実質的に丸投げできます。販売代理店と比較して、業務内容の負担が軽いことが特徴です。
③特約店
特約店とは、メーカーと特定の条件が付いた特約契約を結んだ業者のことを指します。特約があるためにメーカーの支配力は代理店よりも強化されるのが一般的です。ガソリンスタンドなどや石油卸業に多い形態です。
④販売店
一般的な販売店は店舗販売を意味します。リアル店舗やECサイトを活用し販売を行います。街中の本屋さんや酒屋さんなどが該当する為、世の中で最も多い代理店の契約形態ではないかと推測されます。
⑤紹介店
見込み顧客を代理店本部に紹介することを業務内容にしている代理店の形態です。かなり軽めの取り組みができる契約形態で、様々な業種・業態で活用されています。例えば、「お友達紹介キャンペーン」と言われるものです。
「お友達を紹介し、その友達が契約に至ればキャッシュバック」というよくあるキャンペーンですが、あれは紹介店のスキームを利用したビジネスモデルになります(※実際には紹介店契約を交わしていないキャンペーンという名目にしています)。当人がやっている業務内容は友達(見込み)を紹介するということなので、紹介店の業務内容にあたります。実際には「取引の代理」までは行っていないですが、代理店の一形態と認識されています。
最近ではリファラル営業という言葉で紹介店を副業にする流れがありますので、ご存知の方も多いことでしょう。オススメのリファラル営業サイトをご紹介しておきます。
代理店と営業代行
前述にて代表的な代理店の契約形態をご紹介しました。ここで、「代理店」と混同しやすい「営業代行」についても触れておきます。一般的に、「代理店」と「営業代行」の違いを正確に理解できている方はほとんどいない為、「代理店」と「営業代行」の違いや利用の仕方をご説明しておきたいと思います。
「代理店」と「営業代行」は、どちらも
・外部のパートナーを活用する。
・コスト(固定費・人件費)を抑えることができる。
・販路拡大ができる。
など似た特徴があります。
しかし、「代理店」と「営業代行」では大きな違いがあります。以下が「営業代行」と「販売代理店」の違いです。
営業代行:商品・サービスをクライアントに代わって販売代行するサービス
代理店:商品・サービスを自社に代わって販売代理してくれるビジネスパートナー
似ているのでわかりにくいかも知れませんが、大きな違いがあります。ポイントは、「サービスなのか?」「ビジネスパートナーなのか?」です。そして、両者の一番の違いは「販売スキームの構築」をするか否かにあります。
「営業代行」とは単に販売を代行するサービスではなく、売れる仕組みを「構築」して「納品」するまでがサービス内容になります。つまり、マーケティングの要素が含まれていることが特徴です。営業代行してもらっても失敗する可能性が十分あるということです。
それと比較して代理店は本部から売れる仕組みを共有してもらい、その方法に沿って代理店が営業活動をします。
しかし、ある程度は代理店側の裁量で営業活動ができることが特徴です。
つまり、ポイントは「本部側が売れる仕組み」を構築できているか否かということになります。
貴社が既に販売スキーム(売れる仕組み)を構築できている場合には、販売代理店の戦略をとるべきでしょう。
例)商品が既にあり、販売方法やアプローチ先が明確になっている⇒代理店展開に向いています!
逆に販売スキーム(売れる仕組み)を構築できていない場合には、営業代行に依頼することがベストと言えます。
例)商品は既にあるが、販売方法やアプローチ先が確立できていない⇒営業代行が向いています!
混同しやすいですが、このような「代理店」と「営業代行」の違いは代理店本部として押さえておきましょう。
自社に合った代理店の仕組みとは?
代理店展開を継続して行う為には自社に最適な代理店制度を構築する必要があります。その代理店制度を構築する為には、貴社の商品・サービスや会社の社風、代理店に希望する業務内容など様々な側面を考慮しなければなりません。その上で代理店制度を構築していくのですが、最初から完璧な代理店制度を完成させることは不可能に近いと思ってください。よって、代理店制度は代理店からの要望や市場動向を確認しながら、適時修正を行っていく必要があります。
このように、きちんと作りあげた代理店制度は、継続した代理店展開を行う為の大事な基盤となります。あとは、属人的な代理店管理ではなく、常に代理店の活動状況や提案履歴を貴社がチェックできる環境を用意し、代理店展開を可視化できれば代理店展開はスムーズに進んでいくと思います。
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ここでご紹介した基本的な代理店の活用方法を確認した後は副業ニーズを取り込む代理店展開まとめを押さえましょう。