代理店展開をする上で、代理店制度の構築が必ず必要になります。その際に頭を悩ませる問題が「代理店手数料」の設定についてです。
売価に対して●%とするパターン、1件の受注に対して●万円と固定にするパターンなど「金額をいくらにするのか?」という問題が一つ。1件の受注に対して●万円とフロー収益にするパターン、1件の受注に対して●万円を継続的なストック収入で渡すパターンなどの「報酬体系をどうするのか?」という2つの観点から代理店手数料を設定しなければなりません。
そこで今回は、代理店手数料を設定する際に知っておくと参考になる情報をまとめました。頭を悩ませる代理店手数料を設定する際のヒントになれば幸いです。
【目次】
・代理店手数料についての考え方
・報酬体系はフローorストック?どっちがいいの?
・代理店展開を継続して行う為に必要なこと
代理店手数料についての考え方
まず、代理店手数料についての基本を押さえたいと思います。代理店手数料とは、代理店が販売した実績に応じて支払う手数料を意味します。一般的には「代理店報酬」「取次手数料」「マージン」「コミッション」などの言い方もありますが、ほとんど同じ意味で使われています。
そして、代理店手数料の基本的な考え方は「販売活動に対しての対価」ということになります。
一般的に、代理店に対しては月額の固定報酬を設定しません。よって、販売実績に比例した代理店手数料が支払われることになります。その数量を販売した際に費やした「営業工数」と「販売後の顧客フォロー」に対する手数料という考え方が代理店手数料の基本姿勢になります。この足し算が大きくなるほどに代理店手数料も多くなるということになります。
また、当たり前の話ですが、代理店手数料は高いほど良いです。代理店手数料が高いと代理店側の販促コストも高く設定できる為、様々な手法で営業することができるようになります。つまり、販売チャネルの選択肢が増やせるということです。また、代理店手数料が高くなると、代理店の主力商材として扱ってもらえる可能性がある為、販売数を劇的に飛躍させることも可能になります。
報酬体系はフローorストック?どっちがいいの?
代理店手数料の報酬体系には大枠で2種類が存在しています。1つ目はフロー収入です。フロー収入とは、物販などで多く採用されている報酬体系で、販売した際に1回きりで支払われる代理店手数料を指します。一般的に「ショット」「スポット」とも言われています。
2つ目はストック収入です。ストック収入とは、IT・通信などで多く採用されている報酬体系で、1度の販売に対して永続的(エンドユーザが利用する限り)な代理店手数料を約束する報酬体系です。主に月額制の料金体系のサービスに多い報酬体系で、通信商材やクラウド型サービス、ウォーターサーバーなどに多く見られます。化粧品やサプリメントなどは本来フロー収入に該当しますが、そのような継続性の高い商材ではストック収入に近い性質になるため、「実質ストック」などと表現されることもあります。
上記を加味した上で、報酬体系を決める際に「フローorストック」で頭を悩ませると思いますが、結論から申し上げると、フロー収入でもストック収入でも構いません。乱暴に聞こえるかも知れませんが、できる限り代理店の希望に合わせてあげるのが良いとい意味です。そして、最終的な判断基準は、「その条件なら自分は売りたいと思うのか?」ということです。代理店手数料は高いに越したことはないですが、代理店側の希望に合わせて提示してあげるのが良いと思います。
それでは、代理店手数料が低い場合はまったくダメなのでしょうか?
そんなことはありません。たとえ、代理店手数料が低くても売れる場合はあります。それが、報酬体系をストック型にした場合です。
報酬体系をストックにすると、代理店は1契約に対して永続的な代理店手数料が約束されます。低額のストックでは積み上げるのに時間が掛かるかも知れませんが、経営者からすると非常に重要な安定的キャッシュフローになります。つまり、代理店手数料が低くても、経営を安定させる為に長期戦略で売る意味があるということになります。
報酬体系は一度決めてしまうと変更するのが難しい項目です。よって、貴社の商品・サービスのビジネスモデルに照らし合わせて慎重に設定することをオススメします。
代理店展開を継続して行う為に必要なこと
最後に、代理店展開を継続して行う為に必要なことをお伝えします。代理店展開をするにあたって、代理店制度の構築が絶対に必要です。しかし、これはあくまで貴社の代理店展開におけるビジネスモデルになりますので、これだけでは継続した代理店展開をするには不十分と言うことになります。つまり、実務部分でのマネジメントが抜けているということです。属人的な代理店管理では、仕組みとしては不十分であり、継続的な代理店展開には結び付きません。代理店展開を成功させる為には、常に代理店の活動状況や提案履歴を貴社がチェックできる環境を構築し、代理店展開を可視化することが必要です。
代理店展開を可視化するクラウドサービス「代理店Master(マスター)」
ここでご紹介した基本的な代理店の活用方法を確認した後は代理店展開することのデメリットや事業リスクまとめを押さえましょう。